陽の当たる部屋

もうすぐ引っ越す、今住んどる家。引っ越さんといけんと知っとったら、せんかったかもしれんな、と思うこと、は、ある。どうせ出ると分かっとったら、そこにお金かけんかったじゃろーな、と思うこと。

この家は、大変に広い。廊下のような、でも部屋のような不思議な空間があって、そこは陽が入ってなかなか気持ちがいい。大きい窓に大きいガラスの扉。庭の緑の力を、どっしりと浴びることができる部屋。

Paint Partyをしたとき、いろいろ「くさくさ」していて、もうどうにでもなれー、と思っていた。で、この空間は、なんとなく、「誰でもpaintしていーよ部屋、お子様もね」になった。水性の絵の具を用意して、絵筆を置いた。他の部屋で大量に使われているスプレー缶のガスを子どもたちが吸わないように、ここだけは、空気を遮断した。今思えば、よーやったわ、ほんま。

Paint Partyが終わったときは、こんな感じじゃった。

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もーほんま、えらいことよね。

でも、「くさくさ」する原因になる、いやーなものが心に溜まりに溜まっていたころ、この空間は、実に不健康な空気や、不健康で卑猥な、なんというか、モノが溜まっている空間だったのです。

で、これを見て、うちは思った。「せいせいした」

そして、この空間は、和みの間にしたかったので、しばらくしてから改装を始めました。前は、穏やかな水色じゃったこの部屋。うちは、もっと元気な感じにしたかった。それで、明るい、鮮やかな色を選んだ。

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扇風機で端から乾かしながら、二度塗り、三度塗り。おまめは、すぐに日向にやってくる。手伝い?せんよーね。すぐ、ごろりんよね。

ちなみに、この上の写真の。ふたつペンキ容器があるうちの、上のほう。なにかビニールに乗っかってますね。これ、バンコクではよく見かける量販店、Hyper Mart的な店、Bi*Cのビニール袋。これを見て思ったん。

「あ、Bi*Cと、色の取り合わせ一緒じゃ…」

これは、バンコクを知っている人にしか分からなんじゃろーけどね。

ね、そーじゃない?はははー。

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ちょいとマットレスを置いて、カバーと、モンゴルで買ってきた鮮やかな色のクッションを置く。安く譲ってもらった、赤のランプも置いてみる。お、ちょっと進化したんじゃない?ねー、おまめさん。

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次なるステップ。敷物を敷いて、モロッコのでかでかクッションをころがして、ごろりんできる空間も横につける。

そして、何よりの大きな一歩は、植物を置いたこと。ね、雰囲気変わると思わん?

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陽が差すと、とても気持ちがいい空間。週末の朝から昼下がりにかけて、大変に気持ちがよくて、おまめとよくごろごろしていました。

…と、そーなんよね。「していました」と、もう過去形に頭の中でなっとる。

もう引っ越しは目の前。この部屋も、もうすぐもぬけの殻になります。

次なるステップは、壁に色々絵をかけることじゃったん。旅行に行く度に、ちょっとした絵や、包み紙や、お気に入りのハガキを少しずつ集めたりして、そのうち額に入れて飾ろうと思っとったん。

できんかったね。

ねー。ここまできて、思う。どうなんじゃろう。

最初に、「せんかったかもしれんな」とも思う、と書いた。でも、こうすることでしか得られんものもあった。ここまでめちゃくちゃにしてしまって、そしてまた自分の好きな色に塗り替える。人生でそうそうできん経験をさせてもらえたんかもしれんな。

この部屋の、この明るい空気と一緒に引っ越すことはできん。でも、この思い出は、連れて行こうと思う。

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